デジタルイラストに挑戦したいけれど、何から始めればいいのか分からないという初心者の方は多いです。
本記事では、初めてでも安心して始められるよう、基本知識から必要な道具、練習ステップまで丁寧に解説します。
「とにかく描いてみたい!」という気持ちを大切に、一歩ずつ着実にスキルを身につけていきましょう。
デジタルイラスト初心者は何から始める?最初に知っておきたい基本知識
デジタルイラストを始めるには、まず「アナログとデジタルの違い」などの基本知識を理解しておくことが大切です。
これを知っておくことで、使う道具やソフトを迷わず選べるようになります。
いきなり高度な技術に手を出すよりも、まずは土台となる知識を固めておくことで、挫折しにくくなりますよ。
アナログイラストとデジタルイラストの違いを解説!
アナログイラストは紙と鉛筆などの物理的な道具を使うのに対し、デジタルイラストはパソコンやタブレットを使ってソフト上で描きます。
紙では修正が難しいですが、デジタルでは「やり直し」や「色の変更」が簡単です。
また、デジタルならレイヤー機能で線と色を分けて描けるため、清書や着色の自由度が高くなります。
初心者でも安心して試行錯誤できるのが、デジタルの大きな魅力です。
デジタルイラストのメリットとデメリット
デジタルイラストのメリットは、修正が簡単で何度でもやり直せること。
カラー変更やパーツの調整もワンタッチででき、初心者でも納得いくまで描き直しができます。
一方、初期投資が必要だったり、操作を覚えるまでに時間がかかるというデメリットもあります。
始める前にメリットとデメリットの両面を理解しておくことで、心構えができてスムーズに取り組めます。
ペイントソフトの種類と役割
ペイントソフトには「CLIP STUDIO PAINT」「Photoshop」「アイビスペイント」など、さまざまな種類があります。
それぞれ得意分野や操作性が異なり、初心者には無料で使えるソフトから試すのが安心です。
ソフトには「描く」「塗る」「加工する」などの基本機能が備わっており、アナログにはない便利なツールも豊富に用意されています。
まずは自分に合うソフトを見つけて、機能を少しずつ覚えていきましょう。
デジタルイラスト初心者はまずはこれ!必要な道具とソフトの選び方
デジタルイラストを始めるには、道具選びがとても重要です。
最初にどんな機材やソフトを使うかで、描きやすさやモチベーションが大きく変わってきます。
初心者の方は、価格や性能だけでなく「自分の描き方に合っているか」を基準にして選ぶことがポイントです。
初心者におすすめの液タブ・板タブの違いと選び方
液タブ(液晶タブレット)は、画面に直接描けるタイプで、感覚がアナログに近く初心者にも直感的に使いやすいです。
一方、板タブ(ペンタブレット)は画面を見ながら手元の板に描くスタイルで、慣れるまでに少し時間がかかります。
価格は液タブの方が高めですが、最近では入門用の安価なモデルも多く出ています。
予算や使用環境に応じて、「画面に描きたいなら液タブ」「コスパ重視なら板タブ」と覚えておくと選びやすいです。
パソコンとタブレット、どちらを使うべきかを判断する
デジタルイラストでは、パソコン(Windows/Mac)とiPadなどのタブレット、どちらも選択肢になります。
パソコンは処理能力が高く、本格的なソフトが使えるのが強みです。
一方、iPadは持ち運びやすくApple Pencilとの相性も抜群で、直感的に描きやすいという利点があります。
自宅でじっくり作業したい人はパソコン、場所を選ばず気軽に描きたい人はタブレットを選ぶのがおすすめです。
ペイントソフトの特徴と選び方
初心者にうれしいのが、無料でも高機能なペイントソフトがたくさんあることです。
「アイビスペイント」「メディバンペイント」などはスマホやタブレットでも使え、操作も簡単で始めやすいです。
最初はシンプルで使いやすいソフトを選び、必要に応じて機能が多いものへステップアップしていくと安心です。
有料ソフトでは「CLIP STUDIO PAINT」や「Photoshop」などが代表的で、プロも愛用するほど多機能です。
特にCLIP STUDIOは漫画・イラスト制作に特化しており、レイヤー管理やブラシの自由度が高いのが魅力です。
無料ソフトでも十分練習できますが、本格的に取り組みたいなら有料ソフトも視野に入れると良いでしょう。
「機能の豊富さ」と「カスタマイズ性」が、無料版との主な違いです。
必要なスペックや周辺機器を確認しておく
イラスト制作には、ある程度のパソコンスペックが必要です。
CPUはCore i5以上、メモリは8GB以上、ストレージも十分に空きがあると安心です。
また、描画中に滑り止め手袋を使ったり、ショートカット用の左手デバイスを導入することで、作業効率がぐっと上がります。
「描くこと」だけでなく、快適に続けるための環境づくりも忘れずに準備しましょう。
デジタルイラスト初心者でも描ける!簡単な練習ステップ
いざ描き始めようとしても、「何を描けばいいのか分からない」と感じることは多いです。
そんなときは、基礎から一歩ずつ段階的に練習していくのが効果的です。
ここでは、初心者でも無理なく取り組める練習をステップ毎に紹介しますので、焦らずゆっくり上達を目指しましょう。
STEP①:まずは線を引く練習で手ブレを防ぐ
デジタルで描き始めたばかりの頃は、まっすぐな線やきれいなカーブを描くのが難しく感じるかもしれません。
まずは縦線・横線・波線・円など、いろいろな線をゆっくり丁寧に描く練習をしてみましょう。
特にショートストローク(短い線)とロングストローク(長い線)の両方を試すことで、手ブレをコントロールする感覚が養われます。
毎日少しずつでも続けることで、自然に手が慣れて安定してきますよ。
STEP②:図形や簡単なモチーフを模写してみる
次のステップでは、丸や三角、四角といった基本図形を繰り返し描いてみましょう。
それに慣れてきたら、リンゴやコップ、キャラクターの顔など、簡単なモチーフを模写するのがおすすめです。
この練習は「形を捉える力」や「比率のバランス感覚」を身につけるのに役立ちます。
見たものを正確に写し取る力は、どんなイラストにも通じる基礎スキルになります。
STEP③:線画をなぞるトレース練習で感覚をつかむ
自分で描くのがまだ難しいと感じる場合は、線画をトレースする練習も効果的です。
他人の絵をなぞることで、線の流れや描き方のクセを学ぶことができます。
トレースは模写とは異なり、線の引き方を体に覚えさせるトレーニングです。
著作権のある作品は個人練習にとどめ、SNS等に投稿する場合は注意しましょう。
STEP④:レイヤーを使って塗り分ける練習をする
線画に色を塗るときは、レイヤーを使い分けて塗るのが基本です。
まずは「肌」「髪」「服」など、パーツごとにレイヤーを分けて塗ってみましょう。
レイヤー分けを意識することで、後から修正もしやすくなり、完成度の高いイラストが仕上がります。
バケツツールやブラシを使い分ける練習も、この段階で一緒に行うと良いでしょう。
STEP⑤:1枚のイラストを最後まで仕上げてみる
最後のステップは、「線画→色塗り→影→仕上げ」とすべての工程を通して、1枚のイラストを完成させることです。
ここまでの練習を活かして、あえて完璧を目指さず、「描ききる」ことを意識して取り組んでみましょう。
完成まで描き上げる経験は大きな自信になりますし、自分の得意・不得意も見えてきます。
繰り返すことで、自然と上達スピードもアップしていきますよ。
デジタルイラスト初心者はマスターしよう!線画・塗り・仕上げの基本テクニック
基本をしっかり押さえることで、イラストの完成度が一気に高まります。
特に「線画」「塗り」「仕上げ」の工程を理解しておくと、作品がグッとプロっぽく見えるようになります。
ここでは初心者が最初に覚えておきたい基本テクニックを、分かりやすく解説していきます。
基本①:線画をきれいに描くためのペン設定を試す
デジタルイラストでは、線の美しさが作品全体の印象を左右します。
まずは使用するペンの「サイズ」「筆圧感知」「補正」などの設定を調整して、自分に合った描き心地を見つけましょう。
補正機能を少し強めに設定すると、線がブレにくくなり初心者でも描きやすくなります。
色々なブラシを試して、自分が気持ちよく線を引ける設定を見つけておくのがポイントです。
基本②:線の強弱で立体感を出す方法を覚える
線には強弱をつけることで、物の形や奥行きを表現できます。
例えば、手前にある部分や影になる部分を太く、遠くや光が当たる部分を細く描くことで、立体感がぐっと増します。
ペンの筆圧感知機能を活用すれば、自然な強弱がつけやすくなります。
最初は意識的に強く押したり軽くなぞったりして、線に表情をつける感覚を養いましょう。
基本③:ベタ塗りとグラデーションの基本を理解する
塗りの基本として、まずは「ベタ塗り」と「グラデーション塗り」の違いを知ることが大切です。
ベタ塗りは一色で均一に塗る方法で、キャラクターイラストやアニメ塗りでよく使われます。
一方、グラデーションは色の変化を滑らかに描く手法で、空や髪の表現に効果的です。
まずはベタ塗りから始めて、徐々にグラデーションブラシやぼかしツールの使い方を試してみましょう。
基本④:影のつけ方で奥行きを演出する
影のつけ方次第で、イラストのリアリティと奥行きが大きく変わります。
光源(光の当たる方向)を意識して、影を落とす位置を考えながら塗るのがポイントです。
最初は1段階の影(乗算レイヤーで灰色や青系)を入れるだけでも十分効果があります。
慣れてきたら、影の濃淡や境界を工夫して、表現の幅を広げていきましょう。
基本⑤:仕上げに使えるフィルターや効果の使い方を学ぶ
イラストの完成度を高めるためには、仕上げに「フィルター」や「効果」を取り入れるのが効果的です。
たとえば、グロー効果で光を足したり、スクリーンレイヤーで明るさを調整したりすると、全体が華やかに見えます。
その他にも、色調補正やぼかし、ノイズなどの加工を加えることで、雰囲気や印象を自由にコントロールできます。
使いすぎには注意しつつ、表現の幅を広げるツールとして取り入れていきましょう。
デジタルイラスト初心者が挫折しないコツ!継続して上達するための習慣とは?
どんなに情熱があっても、続けられなければ上達は難しいものです。
特に初心者のうちは、うまく描けない日があると「自分には無理かも」と感じてしまいがちです。
ここでは、そんな挫折を防ぎながら、楽しみながら続けられる習慣づくりのコツをご紹介します。
習慣①:毎日10分でも描く習慣を作ること
「毎日1枚完成させる」よりも、「毎日10分だけ線を引く」くらいの軽い目標から始めましょう。
短い時間でも、継続することで着実に手が慣れていきます。
最初は落書きでも構いません。
“描く”ことを生活の一部にするだけで、自然とスキルが身につくようになります。
習慣②:上手い人のイラストを真似て描いてみること
模写やトレースは、上達への近道です。
好きなイラストレーターや憧れの作風を真似することで、自分に合った描き方や構図のヒントが得られます。
大切なのは「なぜこの線なのか」「どうしてこの色なのか」と考えながら描くこと。
ただ真似るだけでなく、学ぶ姿勢を持つことで成長スピードが一気に加速します。
習慣③:SNSやコミュニティで作品を公開してみること
自分の作品を誰かに見てもらうことは、モチベーションの維持に大きな力を発揮します。
SNSやイラスト投稿サイトでは、反応がもらえたり、同じ目標を持つ仲間と出会えたりします。
はじめは緊張するかもしれませんが、同じ初心者の人も多いので気軽に挑戦してみましょう。
フィードバックを受け取ることで、自分では気づけない改善点にも気づけるかもしれません。
習慣④:比較するのは他人とではなく、過去の自分
他人と比べると、「自分は全然ダメだ」と落ち込んでしまいがちです。
でも、大事なのは“昨日の自分より少しでも描けるようになっているか”という視点です。
1か月前に描いた絵と今の絵を見比べてみると、成長していることに気づけるはずです。
自分の歩みを認めることで、自信とやる気がわいてきます。
習慣⑤:あえて完璧を目指さず楽しむことを大切にする
「うまく描かなきゃ」「完璧に仕上げなきゃ」と思いすぎると、絵を描くことが苦しくなってしまいます。
初心者のうちは、失敗も含めて楽しむくらいの気持ちが大切です。
完璧を目指すよりも、「今日はここまで描けた!」と前向きに捉えることが、継続のコツです。
イラストは本来、楽しいもの。だからこそ、楽しむ心を忘れずに取り組みましょう。
デジタルイラスト初心者は何から始めるべきかについてまとめ
デジタルイラスト初心者が最初にすべきことは、基本知識の習得と道具の準備です。
そして、線を引く練習から始めて、少しずつ塗りや仕上げの技術を学んでいきましょう。
大切なのは、焦らず自分のペースで続けること。
習慣づけや楽しむ気持ちを大切にすれば、着実に成長していけます。
「描きたい」というその気持ちが、すでに最初の一歩。
これからも、あなたのペースでイラストの世界を楽しんでくださいね!